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私のアメリカを探して 9
「灯台めぐりとパフィンに会う旅」
アケーディア国立公園
Acadia National Park、Maine

Cadillac Mountain
白い灯台に潮の香り、アメリカの北東部メイン州の海岸をドライブしていると、まるで日本海の福井や富山県の海岸にいるような錯覚に陥る。大西洋の荒波が切り立った崖を削り、冷えた空気が心地よい。この入り込んだ海岸線には大小67もの灯台が点在し、アケーディア国立公園は、エルスワースの東側、小さなデザートマウンテン・アイランドの約半分を占める。55か所ある米国の国立公園の中では5番目に小さな公園だが、年間のビジター数はベストテンに入る人気だ。

Portland Headlight |
マウントデザート・アイランドは18世紀後半から米国北東部の金持ちの避暑地として栄え始め、バー・ハーバーには今でも歴史を感じさせる洒落たホテルやレストランが建ち並んでいる。米国最北のゴルフ場「ボバレー・ゴルフコース」もある。
国立公園に指定されたのは1919年だが、主に財閥の所有地の寄付から成り、今では国立公園と個人の所有地がパッチ模様のようにくっつき合い境界線を主張している。
この公園のアトラクションはいろいろあるが、少し欲張って、青い海に浮かぶ灯台巡りとマチャーイス・アイランドのパフィン(ツノメドリ)ツアーを加えると思い出深い旅になるだろう。

Bass Harbor Headlight |
この灯台巡りにはポートランドでレンタカーを借り、国道1号線をドライブするのがいい。まず南に下り、ヨークビーチにあるネデック岬の「ナブル灯台」から出発する。小さな島の上に白い灯台が立ち、クリスマスシーズンにはライトアップして多くの観光客を楽しませる、絵葉書に一番多く登場する人気スポット。
ここから北上すると、エリザベス岬に、荒波に洗われる「ポートランド灯台」が見える。少し早起きすれば、大西洋に昇る真っ赤な太陽が見られる。
フリーポートからバスの町を抜けて、130号を南下すると、その岬の突端に「ペマクイッド灯台」がある。長い年月、荒波に削り取られた岩盤が、まるで灯台を守るように横たわっている。
公園内にあるのは、「バス・ハーバー灯台」だ。ここではゆっくり夕日が沈むのを待ちたい。夕日が沈んだ後の残照に浮かぶ灯台は、一日のうちで最も美しい。
公園を出て、また国道1号線を北上し、189号線に入って行き止まりが、大西洋岸の米国最北端ルーベックだ。カナダとの国境線の崖の高台に立つ「ウエスト・クワド灯台」は、赤白の縞模様の派手な概観だ。訪れる人も少ない北端の地に一人立つと、足下に咲き乱れる赤いファイアーウイードの花とはうらはらに、なぜか旅の感傷に襲われ心寂しくなる。

West Quoddy Headlight |
パフィン・ウオッチングのボートは、このルーベックから50マイル南にあるジョンズ・ポートとカトラ・ハーバーの2か所から、天気のよい夏の間(メモリアルデーからレイバーデー)だけ運行している。
パフィンは、正式にはAtlantic Puffin(ツノメドリ)と呼ばれ、米国で棲息しているのはアラスカとメイン州の北部にあるマチャーイス・アイランドだけである。海のオウムとも呼ばれ、大きなクチバシと、思わず笑ってしまう愛嬌のある顔が愛くるしい鳥だ。ユネスコの世界絶滅危機動物に指定されており、この島でも手厚く保護されていて、一日に島に上陸できる人数も、滞在時間も厳しく規制されている。

Atlantic Puffin |
この島へのボートを運行しているのがジョンズ・ポートのバーナ・ノートン船長だ。今年87歳になるノートン船長は、1940年からこの村に移り住みパフィンツアーを始めた大ベテランだが、今は息子のジョンにその座を譲った。しかし、ボートが出る朝7時前には毎日船着き場に現れて、客の一人一人と挨拶し、だじゃれを交えた会話で皆の緊張をほぐしている。
30人乗りのボートは約2時間で島に到着する。上陸できるのは15人だけだから事前予約は絶対必要だ。島には3〜4人入れる大きさの穴の開いた木箱のブラインドがあちこちに置かれており、人間はその中から鳥を鑑賞することになる。岩だけの小さな島は、無人の灯台が一つあるだけで、約3千羽のパフィンと他の多くの海鳥の繁殖地となっている。地面の至る所に鳥たちの巣と生まれたばかりのヒナたちが氾濫し、これを踏み付けないように指定された通路を気をつけて歩かねばならない。時々親鳥が頭上から攻撃をしかけてくるから、頭上にも注意が必要だ。

Pemaquid Point Lighthouse |
箱の中から盗み見るパフィンたちは見られているとはつゆ知らず、思い思いのポーズで笑いを誘う。彼らの一挙手一投足に心奪われ、ポケットの中はあっという間に撮影済みのフィルムでいっぱいになる。決められた2時間は瞬く間に過ぎ去り、後ろ髪引かれながら、またボートの帰路の旅となるのである。
『アケーディア国立公園の楽しみ方』
Acadia National Park Headquaters 207-288-3338
■パフィン見学ツアーボート
Mr. Barna Norton : 207-497-5933
■宿泊:Harbor House (Bed & Breakfast) : 207-497-3211。
港が見渡せる2部屋あるゲストルームは品のいいアンティーク調。とれたばかりのメイン名産ロブスターを目の前で茹でてくれるのも嬉しい。
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