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私のアメリカを探して 26

「ネネの歓迎」
ハワイ火山国立公園
Hawaii Volcanoes National Park, Hawaii

Nene Exploring the Caldera


Return of Plant Life
ハワイ火山国立公園のあるハワイ島(ビッグアイランド)は名前が示すとおり、島の大きさもさながら自然が見せるスケールの大きさに驚かされる。年中温暖な晴天が続く西側は色とりどりの花が咲き乱れ、東側は雨が多く緑豊かな熱帯雨林や渓谷が連なっている。、そしてカルデラの中には雨が一滴もふらない砂漠まである。極め付けは今なお活発に溶岩を流し続ける、キラウエア火山の熱い地熱の上に立った時だ。果てしなく深く大きな地球の息吹きを体感できた時、身も心も一段と大きくなったような気分にさせられるのである。
Lava Flow

キラウエア火山(標高1243メートル)は世界でも唯一、車で近くまで乗り付けることが出来る活火山だ。この火山の特徴は爆発的な噴火はないものの溶岩の流れが刻々と変化を続けており、数ヶ月ぶりに訪れてみると以前あった道路はすっかり黒い溶岩の固まりになっていたりする。ボクは2年間で通算3回この火山を訪れたが、最初の時海まで通じていたチェーン オブ クレーターロードは、1年後の2回目の時は溶岩に塞がれて途中で寸断していた。そして海に流れ込んだ溶岩の熱い固まりがつくる水蒸気は3回目の時はすっかり消えて、溶岩は遠く山の彼方に見えるだけになっていた。最初の2回は時間がなくて溶岩の近くまで歩くことが出来なかったので、3回目の訪問では時間に余裕を持って乗り込んだのだったが、自然はいつも気紛れだ。期待していた活発な溶岩の活動は弱まり、ボクの気分は落ち込んだ。しかしパークレンジャーは、「マウナ ウルから出ている片道、約7マイル(11.2Km)のナパウ トレイルの先にあるナパウ クレーターまで歩けばもう少し活発な溶岩が見えるだろう」と慰めてくれた。ボクは気を取り直し、真っ黒い溶岩の中のトレイルを歩くことにした。


Sunrise on Caldera
カメラと水でずっしり重くなったバックパックを背に、足場の悪いトレイルは体力をことのほか消耗する。目印はトレイルに沿って積み重ねられた小石の塔だけで、これを見失うととんでもない方へ迷い込んでしまう。少し歩いただけで寝不足の身体に汗が吹き出てくる。そしてすっかり汗を出し切ると身体は少し軽くなったが、歩いても、歩いても真っ黒な色のない不思議な世界に、どこか違う惑星にいるような錯覚にさせられた。しかしよく見ると、こんな黒い世界にも溶岩の裂け目から植物がしっかり根を生やし花を咲かせている。ようやくマカオプヒのクレーターまで辿り着くと、今度は景観は一変して熱帯雨林になった。5-6メートルもある背丈のシダが生い茂り、そのすき間から露に濡れた可憐なランが心を潤してくれた。最後のシダの林を抜けると切り立った崖からナパウ クレーターが姿をあらわした。そしてその先には長く低く、煙りをたなびかせたパウオーの山が望まれた。この火山には古くから女神ペレが住んでいるといい伝えられてきた。地球の底から湧き上がる自然のエネルギーを見ていると、ボクは不思議と疲れも忘れ、女神のふところに抱かれたような優しい気持ちにさせられるのだった。
Hiker on the Napau Trail

翌日痛い足を引きずりながらビジターセンターに近い、キラウエアのカルデラを歩いていると、溶岩のすき間から2羽のヒナを連れたネネ親子が現れた。ネネはカナダ雁の一種で(Nesochean Sandvicensis)という正式名で、ハワイだけにしか生息していないためにハワイの州鳥に指定されている。しかし人間の乱獲や、天敵マングースのために18世紀末には2万5千羽もいたネネは1950年代には30羽までに激減し、ユネスコの絶滅危惧種に指定された。現在は手厚い保護で400羽まで増えたといわれるが、それでも野生の姿を見れるのはとてもラッキーだ。ネネの両親は生まれたばかりのヒナを間に挟み、この干涸びた溶岩の中にわずかに生える草を求めて歩き回っていた。この過酷な自然の中でこの2羽のヒナは無事に生き延びることが出来るのだろうか?ボクはネネの親子にあつい声援を送った。


行き方:

Hawaii Volcanoes National Park
P.O. Box 52, Hawaii 96718-0052
Phone: 808-985-6000
http://www.nps.gov/havo/

主な飛行場はコナとヒロにあるが、ヒロからだとビジターセンターまで約20マイル。 宿泊はこのヒロにするか、公園内にあるボルケーノハウス(808-967-7321)が便利。
レストランの窓からはキラウエアカルデラを望むことが出来、ビジターセンターやジャ ガー博物館へ往くにも近くて便利だ。
キャンプやハイキングは他の場所と環境が違うので、ビジターセンターで説明を受けて必ず届け出る義務がある。
気候が急変するので服装には十分注意する。
ハワイ島は火山の他に綺麗なビーチやプランテーション、コナのコーヒー園など見どころが多いのでレンタカーで回ると楽しみは倍増する。

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